2017年9月14~16日 剱岳~奥大日岳(2泊3日・小屋泊)①
1日目:室堂BS~雷鳥沢キャンプ場~剱御前小舎(別山乗越)~剣山荘(泊)
2日目:剣山荘~一服剱~前剱~剱岳頂~前剱~一服剱~剣山荘~剱澤キャンプ場~剱御前小舎(別山乗越)~雷鳥沢キャンプ場~ロッジ立山連峰(泊)
3日目:ロッジ立山連峰~雷鳥沢キャンプ場~新室堂乗越~奥大日岳頂~新室堂乗越~雷鳥沢キャンプ場~ロッジ立山連峰~室堂BS
今年はなんとなーく南アルプスの年って自分の中で決めてたから、3連休前に2日有休をつけて荒川三山~聖岳の3泊4日の縦走を夏山の〆としてやろうと思ってたんだけど、聖平小屋に宿泊とバスの予約の電話をしたところ『すでに120人の予約が入っててここでは受けられません…』とのこと。定員オーバーを知ってて行くのはさすがに…と思って荒川三山+悪沢岳の2泊3日にしようと思ってたけど、今度は台風の影響で最終日の朝からお天気が悪そう。下山するだけだから雨でもいーけど、お天気崩れるのが早まったらイヤだし…と思って北アルプスの予報を見てみたら日本海側の方なら台風の影響が少し遅そう。北アルプスで行ったことがないお山で、お花や紅葉がなくても楽しめて、週末は混んでて平日ならではのところで、最終日のお天気が崩れても臨機応変に諦めて下山できるところ…ということで、全ての条件にピッタリ当てはまった剱岳にソロで行ってきました!今回は別山ルートからアプローチです。
ETCの深夜割を狙って4時ちょっと前に中央道に乗って扇沢に向かいました。途中、雨がパラついたりガスガスになったりしたけど、晴れ予報を信じてたから迷いはなかったです。初日は剣山荘までの予定だったからのんびり出発したけど、7時前に駐車場に着いちゃいました。無料の第一駐車場は平日にも関わらずいっぱいだったけど、何とか空いてたスペースに停めて、始発のバスに間に合いそうだったので準備して扇沢BSに向かいました。
バス、ケーブルカー、ロープウェー、バスと乗り継いで1年ぶりの室堂に到着!去年来た時はガスガスで何も見えなくて、ここでレイン着たっんだっけ…。でも、今回は快晴~♪ あまりにお天気が良かったから、立山三山を歩きたいなってチラっと思ったりもしたけど、今回のメインは剱岳なので、翌日の剱岳のために体力温存することにしました。今回は、岩場や鎖場などを通過しながら写真を撮るために、ミラーレスは諦めてサクッと撮れるコンデジです。
みくりが池が青くて綺麗。まだ残雪がありました。
もう、9月も半ばだけど、お花もチョコチョコ咲いてました。コウゾリナ…?
向きを変えるとみくりが池に映る逆さ立山連峰が見えました。テンション上がる~♪
ヤマハハコ…
立山連峰を眺めながら、遊歩道をのんびり歩いて行きました。
血の池の周りは少しずつ紅葉が始まってました。去年の紅葉もキレイだったな。
別山から真砂岳への稜線です。これから雷鳥沢キャンプ場を通過して、左の別山乗越を越えて剣山荘まで歩いて行きます。
紅葉の始まり…
オヤマリンドウは秋の花。今の時期が盛りのお花です。
富士ノ折立、大汝山、雄山…。こんなにお天気がいいならば寄りたかったけど、今回は剱岳に集中したいからガマンガマン。体力ないから少しでも体力温存して、できるだけ安全に剱岳を登りたいからね。ウワサによると、剣山荘から剱岳のピストンはけっこうタフらしいから…
雷鳥沢までは快適な遊歩道〜♪ 平日だからヒトも少なくて静かです。
雷鳥沢キャンプ場への下って行きます。帰りはこの階段の登りがめっちゃツライんだよねぇ…。今回は小屋泊だから荷物は少ないけど。
地獄谷は相変わらずスゴイ硫黄臭を解き放ってました。お天気のいい日にこーやって見ると、白と青と緑でなんだかキレイだけどね。
駐車場はいっぱいだったけど、平日だからさすがにテントは少なかったです。まだまだこれから増えるのかもだけど…。今日の目的地まではまだまだ遠いけど、時間があるからちょっとのんびりすることに。
ウラジロタデはまだお花…
シラネニンジンの実かな?
雷鳥沢キャンプ場を通り抜けて行きます。紅葉し始めた葉っぱ達がキラキラしてました☆
シラネニンジン…?セリ科の判別はムリです(汗)
真っ赤なナナカマドの実。青空に映えます。
沢を渡って雷鳥坂を別山乗越に向かって登って行きました。最初は高山植物を眺めながらゆるゆると九十九折に登って行きます。
すっかり実になったウラジロタデ…
イワイチョウは終盤…
立山方面を眺めながら、ちょっと休憩。ホントにいいお天気だぁ。明日も晴れてくれるといいけど…
実になったアカモノ…
薄っすら色づいてるね~。1週間もすればすっかり紅葉してるかも。
綺麗なオオヒョウタンボクの実…
タカネヨモギ…
しばらく登って振り返るとこの眺め!龍王岳、浄土山、国見岳、天狗山…。あのアタリも歩いてみたいな。もちろん、室堂やキャンプ場、地獄谷も丸見えです。
チングルマはすでにフワフワです。お花もカワイイけど、果穂もカワイイよね。
途中から少し傾斜がキツくなるけど、急いでないからゆっくり登って行きます。
剱御前小屋がある別山乗越に着くとお目当ての剱岳がお目見えです♪ 明日、アソコに登るんだーって思ったら楽しみでワクワクした半面、ちょっとだけ不安もありました。だって、高所恐怖症だから…
とりあえず、剱岳を眺めながら剣山荘に向かうことにしました。ここも体力温存のため、下ってから登り返す剱沢を通るルートではなく、剱御前の稜線の下をトラバースしていく楽なルートを通ることにしました。明日、余裕があったら剱御前に寄ろうかな…ないと思うけど(苦笑)
カールにはまだまだ残雪がありました。この時期にもこれだけの残雪があるから水が豊富なんだね。
ミヤママリンドウ…
別山の稜線の下に明日歩く予定の剱沢ルートがよく見えました。こーやって見てる分には大した登りじゃないねって感じだったんだけど。
正面に見えてる剱岳がカッコよすぎてなかなか前に進めず、何度も何度も立ち止まっては写真撮っての繰り返しでした(笑)
チングルマ~♪
ウサギギク…
基本的にはとても歩きやすい道だったけど、こんなガレっぽいところも部分的にありました。
剱岳はたまにガスでガッツリ覆われたりしてたけど、風が強かったからすぐになくなりました。カ、カッコイイ…♡
ヨツバシオガマの群生…
今日の目的地の剣山荘が見えてきました。こんなにのんびり歩いてたのに、意外とすぐ着いちゃったな。
ニガイチゴの実…?
剣山荘に着いたのは14:00過ぎ。外のベンチで景色を眺めながらゆっくりランチして、混みだす前にシャワーに入りました。お山の上で熱いシャワーに入れるなんてサイコー!石鹸とかはもちろん使えないけど、汗を流せただけで十分にサッパリできました。
みんなが食堂で夜ゴハンのタイミングに持ってきたお弁当食べました。さすがに2泊も小屋に泊まるから節約です。軽量化のためにバーナー持ってこなかったし。夕焼けにはならなくて残念だったけど、キレイな鰯雲を見ることはできました。でも、これってお天気が崩れる前ぶれだよね…
そして、別山はアーベントロートで少し赤く染まりました。コンデジだからこれが精一杯だったけど、実際はかなりキレイでした。
寒くなってきたから部屋に戻ったんだけど、暗くなってから再び外に出てみると天の川が見えました。明日、晴れてくれるといーな。
お部屋は女性専用の8人部屋でオバサンと2人だけでした。消灯までオバサンとお山の話をいろいろできて楽しかったな。ブレスサーモのお布団は綺麗で暖かいし、お部屋は静かだし、アイマスクも耳栓もなしにグッスリでした。
夜中に一度も目が醒めることなく4:30に起きて外に出てみると、ちょっと風が強かったのでのんびり準備しながらしばらく様子を見ました。5:00過ぎからみんなの朝ゴハンが始まったので、カメ足な自分は5:30前に出発することにしました。
全然カラダが起きてなかったから、とにかくゆっくり登って行きます。しばらく登ると鎖が見えてきました。
最初の1番目鎖場に着きました。前のヒト達は鎖を掴んで登ってるけど、ここはなくても普通に登れました。そんなに急でもないのになんでここに鎖を付けたんだろ?ってくらいの感じだったけど、安全のためだよね。
記念すべき1番目鎖場のプレートです。
お日さまが昇ってきました。ちょっと雲が多めです。
ガレガレのところを歩いて行くと、遠くにまた鎖が見えてきました。2番目鎖場かな?
2番目鎖場です。ここはトラバースしてから…
垂直気味に登って行きます。といっても、ここも鎖が要らないくらいの緩い傾斜でした。
そして、一服剱に向かって岩場を登って行きます。
わっ、前剱が見えてきました。
何も標識はなかったと思うけど、たぶんここが一服剱で、目の前に見えてるのは前剱です。前剱でも十分迫力あるのに、ラスボスはあの後ろに隠れてるって…。前剱への登りはかなり急に見えました。
せっかく登ったけど少し下ってから…
前剱に取り付きます。
ガレ場を登って行きます。まだヒトは少ないけど、落石させないよに慎重に登って行きました。
ここ、どっちに行くのかちょっと迷ったところです。ちゃんと赤い ↑ あるのにね(汗)
登って来たところを見下ろしてみました。これは下りもけっこうタフそうだね…
視線を上にやるとこんないい眺めが見れました。別山北峰、別山、剱御前…。手前がさっき通過した一服剱です。
ガレ場を登って行くと、前剱大岩が見えてきました。それにしても、急なガレ場が長過ぎてすでに体力消耗気味です。
前剱大岩の奥に鎖っぽいものが見えてきました。3番目鎖場かな?
前剱大岩の3番鎖目鎖場です。
前剱大岩を横を通過して、さらに鎖が続きます。
鎖場が終わってから、岩稜帯をしばらく進むと…
前剱の4番目鎖場に着きました。トラバースっぽく登って行きます。
鎖場が終わって上り専用のルートをさらに登って行くと、前剱が見えてきました。間違えて下り専用に入らないように注意です。
前剱頂上に到着しました!ラスボス剱岳を眺めながらちょっと休憩。ふぅ、まだまだ遠いんだね…。緊張気味だからか、すでにちょっと疲れちゃったんですけど(苦笑)
前剱からそのまま稜線沿いの上り専用ルートを進んで行きます。
上り専用って書いてあったけど、白い ↑ の方へ下ります。ちょっとした鎖が付いてました。
鎖を下った先には5番目鎖場が見えました。なかなか迫力あるトラバースです。実際に自分が歩くよりもヒトが歩いてるのを見てる方が怖かったりします(笑)
まずは鉄の細い橋を渡ります。この橋がめちゃくちゃコワイかとおもったけど、高度感はなくて意外と大丈夫でした。真下に下山ルートがあるので落石注意です!
前剱の5番目鎖場は約20mの岩峰トラバース。ステップはしっかりあるので、鎖を持っていれば怖さはなくてサクサク進めました。
それでも、長いトラバースが終わってホッと一息。カニのたてばいの9番目鎖場まであと4つです。
なんか朝よりもかなり雲が増えて、雲海状態で景色がイマイチ。薄っすら日嵩も見えました。
前剱の6番目鎖場は、谷側に約20m下って行きます。
下ったところで、下り専用ルートと合流になりました。ここからしばらくなだらかな稜線地帯を進むと稜線は行き止まりになり、左に回り込むよう案内がありました。ここの稜線がめっちゃ平和で気持ちよかったのに、何故か写真がありません(苦笑)
標識通りに左に回り込んでトラバースして行くと、目の前に平蔵の頭の鎖が見えてきました。でも、最初に出てくる鎖は下り専用のモノで、上り専用の7番目鎖場は右に曲がったところにあるので、間違えて下り専用の鎖を登らないように注意です。ここからまたしばらくは上りと下りのルートが分かれます。
平蔵の頭の7番目鎖場です。急な岩場を約10m登って行きます。
登りやすいように鉄杭が打ってあったから楽勝〜♪ って思ったのに、鎖を掴んで1本目の鉄杭に足をかけたもののちょっと高くてカラダが上がらない…あれれ?ちょっと焦ってたら、後ろのオジサンが『オシリあげなきゃダメだよー』って言ってくれて、あ、そっかって無事に鉄杭に乗れました(笑)。その後は難なく登って行けました。
7番目鎖場は登り終わると、約20mのちょっと急な下りの鎖になります。左(写真では上部)に見えてる鎖は、下り専用の上りの鎖です。下り終わったところで、一瞬だけ下り専用ルートと合流します。
すぐに再び上り専用ルートになって、平蔵の頭をトラバースして行きます。奥には上りの核心部のカニのたてばいが見えてきました。
平蔵の頭のトラバース終盤に平蔵のコルの8番目鎖場がありました。
めちゃくちゃ短い鎖場です。鎖の奥にはカニのタテばいに取りついてるヒト達がよく見えました。ちょっとドキドキしてきた…
その後、しばらく岩場を歩いて行くとカニのたてばいに到着です。
カニのたてばいの9番目鎖場。約50mの鎖場なんだけど、前半と後半に分かれてる感じで途中には広めのテラスがありました。いわゆる核心部は垂直に近い前半部分だと思います。平日だから混んでなかったけど、ヒトがいなくなるのを見計らって深呼吸してからクライムオン!登り始めたらステップも鉄杭もしっかりあってそんなに難しくなかったので、三点支持で登れば意外と何てことないカモってなんとなく登りやすいところを登ってたら、いつの間にか鎖から離れて少し右側にズレちゃってました。さすがにマズイと思ってトラバースして鎖の正面に戻ったんだけど、後ろのオジサンに『戻るのか?』って聞かれちゃうし、最後のピッチの手前でステップが見つけられなくてちょっとだけ焦りました。
前半の鎖が終わったところにあるテラスで後ろのオジサンに抜かしてもらって、息を整えてから岩場を約20m登って行きました。ここは急だけど、ホールドもステップもたくさんあって特に難しくはなかったです。
その後、再び鎖が出てきて鎖場の後半部分に突入しました。
ここで上りの鎖はおしまいです。無事にカニのたてばいを登って来ることができました。ヨカッタ…
鎖場が終わると細いガレ場になって、下り専用ルートと合流して共用ルートを登って行きます。
ちょっと開けたところに出たので休憩にしました。山頂付近はかなりガスってて、今登っても展望なさそうだったので…。しばらく様子を見て、ガスが晴れてきそうになったタイミングで最後の九十九折のガレ場を登って行きました。
早月尾根の分岐を過ぎるとヒトが増えました。あと少し登って行かないといけないのに、足が疲れてきちゃってなかなか前に進めません。やっぱり緊張して鎖場を足で登ってたんだなって実感しました。
でっかい岩がゴロゴロしたところを通過したら…剱岳山頂に到着です!!!!!
②に続きます。