2017年9月14~16日 剱岳~奥大日岳(2泊3日・小屋泊)②
1日目:室堂BS~雷鳥沢キャンプ場~剱御前小舎(別山乗越)~剣山荘(泊)
2日目:剣山荘~一服剱~前剱~剱岳頂~前剱~一服剱~剣山荘~剱澤キャンプ場~剱御前小舎(別山乗越)~雷鳥沢キャンプ場~ロッジ立山連峰(泊)
3日目:ロッジ立山連峰~雷鳥沢キャンプ場~新室堂乗越~奥大日岳頂~新室堂乗越~雷鳥沢キャンプ場~ロッジ立山連峰~室堂BS
遂に憧れの剱岳山頂に立つことができました!高所恐怖症の自分が剱岳に登れるようになるなんて…少しは成長したのかなぁ。めっちゃ嬉しいです♪
頭上は晴れてたけど、周りの峰々にはガッツリ雲がかかってて360度の展望とはならなかったけど、雲が切れそうな感じがしたのでかなり長い時間ねばりました。すると、立山やその後ろの燕岳、常念岳、大天井岳、槍ヶ岳、水晶岳、乗鞍岳、笠ヶ岳、黒部五郎岳、薬師岳…などがだんだん見えてきました。実は富士山も見えてたんだけど、コンデジでは映りませんでした。
白馬岳と鹿島槍ヶ岳…。間の唐松岳や五竜岳ははまだ雲に隠れててよく見えませんでした。そして、手前のギザギザの尾根から登って来てるヒト達もいました。源次郎尾根かな?めっちゃコワそう…(汗)
景色が見えるようになってきたから下山するのがもったいなくて、いつまでも山頂にいたかったけど、キリがないので下山開始することにしました。まずは登ってきたガレ場を下って行きます。下りは楽々~♪
これからここを歩いて行きます。剣山荘まで戻って、剱沢まで少し下って、別山乗越までカールの中を登って、そしてここからは見えない雷鳥坂を下って雷鳥沢ヒュッテまで。
まだ10:00前だったので、登って来るヒトもけっこういました。この細いガレ場は上りと下り共用なので上りのヒトをしばらく待ってから下ります。
カニのよこばいの10番鎖。ここから下り専用になります。
プレートから少し下ってからのトラバースに入る“最初の一歩”が実はこの別山尾根ルートの最難関とゆーウワサ…。剣山荘の写真を確認してきたから、赤い ↑ の真下に赤い印がついたステップがあるのはわかってたけど、それでもちょっと不安はあったので、京都からソロで来てたオジサン(実はこのオジサンはたてばいで後ろを登ってたオジサン)と富山のご夫婦と一緒にカニのよこばいに入ることにしました。
まずはソロのオジサンに先に入ってもらって、トラバースに入ったところから“最初の一歩”の場所を指示してもらおうと思ったけど、赤い ↑ のところまで行って少し覗きこんだら“最初の一歩”のステップは見えました。でも、位置がわかっても、後ろ向きになると“最初の一歩”が見えなくてなかなか右足を下ろせず…。よく見たら赤い ↑ の左下に窪みがあったので、まずそこに左足を置いて少しだけ腰を下げたら“最初の一歩”が見えるようになって、そしたら楽に“最初の一歩”に右足を置けました。“最初の一歩”に右足をしっかり置ければ、次に左足を置くところはすぐにわかるので、そのままトラバースに入って行けます。やっぱりたてばいよりもここがイチバン緊張しました。
“最初の一歩”から少し横にトラバースした後は、鉄杭に足を掛けて下りながらトラバースして行きます。これはすぐ後ろの富山のご夫婦が下ってるところ。
トラバースが終わると垂直のハシゴがありました。垂直だけどしっかりしたフツーのハシゴです。
ハシゴの後は再び鎖場を下ります。特に難しいところはないけど、ちょっと気が抜けたのか1回足がズルってなっちゃいました(汗)。下には屋根みたいなものが見えてきました。
鎖場を下り終わると小屋みたいなモノ(以前はトイレ?)がありました。ここまでが10番目鎖場なのかな?けっこう長かった…
目の前には平蔵の頭が見えてきました。岩稜帯を歩いて行きます。
平蔵のコルの11番目鎖場です。短い鎖場を下るんだけど、写真は撮り忘れました。
朝、登ったカニのたてばいを振り返ります。一度登って様子がわかったので、次は上手く登れると思います。…次があるかな?!(笑)
そして、12番目鎖場が見えてきました。岩場を登って行きます。
平蔵の頭の12番目鎖場です。上りの時に下ったから登りになります。間違えて上り専用の鎖の方に行きそうになっちゃった(笑)。タテに登って、トラバースして、さらにタテに登って行きます。約20mあって急だけど登りやすかったです。
平蔵の頭に到着して剱岳を振り返ります。高所恐怖症な自分、よく頑張りました。核心部は終わったけど、まだ鎖場は続くので気を抜かずに下山します。
ここからしばらくは上り下りの共有ルートです。
遠くの山並みを眺めながら、気持ちのいいなだらかな稜線を歩きました。いつの間にか雲がなくなって、鹿島槍ヶ岳、爺ヶ岳、蓮華岳、針ノ木岳がスッキリ見えるようになってました。
何度も振り返っちゃうけど、ここで剱岳は見納めにしてガンガン下ります。
前剱が近くなると再び下り専用ルートになります。上り専用は稜線沿い、下り専用はトラバースです。
前剱の門の13番目鎖場です。約20m登って行きます。
下り専用ルートは前剱をトラバースしてたので、前剱には寄らずにそのまま下ることにしました。カニのよこばいから即席パーティー的な感じで京都のソロのオジサンと富山のご夫婦と4人で歩いてきたけど、ご夫婦は途中で休憩してから下山するとのことだったので、オジサンと2人で下山することにしました。みんなでおしゃべりしながら歩けてめちゃくちゃ楽しかったです♡ それにしてもいい眺めだなぁ。
前剱の4番目鎖場の手前からは上りルートと共用になります。短い4番目鎖場を過ぎて、3番目鎖場を下ります。
下って来たところを見上げて。朝、登ったところなんだけど、なかなかなタフな登りだったよね。
朝、登ってる時にも思ったけど、なかなかな急斜面の下りなんですけど…。実はここでつまづいて転落とか事故が多いらしいから、気を抜かずに注意して下りました。走って下ってるヒトがめっちゃ落石させてたりして、ちょっと恐怖だったし。
だんだん一服剱が近くなってきました。
ミヤマトリカブト…
一服剱に着きました。前剱、バイバイ~♪
2番目鎖場と1番目鎖場は省略です。剣山荘が見えてきました。ここまで来ると戻って来たなって感じです。
無事に剣山荘まで戻ってきたところで、オジサンは剣沢キャンプ場にテント張ってるとのことなので、無事の下山(正確には下山してないけど…笑)をお互い讃えあいながら握手してバイバイしました。オジサン、ありがとー。楽しかったし、心強かったよ。
お日さまポカポカで温かかったので、パッキングしてから剣山荘の前でランチ休憩~♪ 今日はここで終わりじゃなかったけど、無事に登って来れたんだって達成感に満たされたので、景色を眺めながら1時間くらいのんびちしちゃいました。翌日のお天気がよくなかったら急いで下山して最終のトロリーで扇沢まで戻ろうと思ってたけど、なんとか午前中は曇りで持ちそうだったからね。
もう歩くのイヤだな…ってくらい脱力しちゃってたけど、気合いを入れなおして再び歩き始めました。来る時は剣御前岳をトラバースするように歩いてきたので、帰りは剱沢を通ってみることにしました。ハクサンフウロ…
真っ赤なナナカマドの実…。葉っぱが赤くなってからも来てみたいなぁ。
逆さ前剱。最初はあそこが剱岳なのかと思ってました(苦笑)
何の実かな?
ホントに岩々なお山だよね。
まずは剱沢のキャンプ場までテクテク下って行きました。平和な道だ…
剱沢まで下って来ました。なんか、かなり下っちゃって失敗した感が満載…。だって、こんなに下ったら登り返さないとじゃん(汗)
剱澤小屋の前を通過して、登り返して行きました。何気に暑くて汗がダラダラ…。剱岳を往復しただけですでにかなり疲れちゃってたので、景色を眺めながらゆっくり歩くことにしました。
振り返るとイケメン剱岳がよく見えました。あのテッペンまで登ってきたんだなーって思うとちょっと感慨深かったです。大げさと思われるかもしれないけど、最初はホントに高所恐怖症だったから、剱岳に登れる日が来るなんて思ってなかったからね…
遠くに剱御前小舎が見えてるけど、まだまだ遠い…。やっぱり来た道を戻ればよかったかな。
テン泊装備のカップルに抜かれたりしたけど、ヨチヨチ登り返して行きました。
剱御前小屋がちょっと近くなってきた…
イケメン剱岳を何度も何度も振り返って休憩しながら、剱御前小舎のある別山乗越に着きました。ふぅ…
あわよくば剱御前岳にも登っちゃおうかなーなんて前日には思ってたけど、すでに全く登る気なし。明日歩く予定の奥大日岳は雲海の中…
ここから雷鳥沢まではひたすら下りです。やったー♪
途中で20人くらいのツアーのオバチャン団体に出くわして、スピードが全く違うから避けていただいたのだけど、“避けてやったのに挨拶がない”とか大きな声でめちゃくちゃ文句を言われてしまいました(汗)。いやいや、ちゃんと言いましたよ!少なくとも20人の隊列を抜かす間に5回は言ったわ。たまたま、文句を言ったオバチャンの目の前で言わなかっただけだよ。そもそも、20人もズラズラと連なって歩くツアーはどうなんでしょう?ホントは5人くらいにして欲しいけど、多くても10人くらいにして欲しい…。ちょっと気分悪くなったけど、とにかくどんどん下って行きました。
タテヤマアザミ…
ミヤマガラシ…
ゴマナ…
あっとゆー間に雷鳥沢キャンプ場まで下りてきて、ここから雷鳥沢ヒュッテまでちょっとだけ登り返し…と思ったら、泊まりたいと思ってたけど前日閉まってたロッジ立山連峰の電気が点いてる!試しに泊まれるか聞いてみたらもちろんOKとのこと。しかも、明日からの台風の予報で宿泊客はたったの6~7人だったので、2段ベッドが3つ並ぶお部屋を1人で使わせていただけることに。ラッキー♪ 雷鳥沢ヒュッテだと設備はよさそうだったんだけど大部屋なんだよね…
オナカが空いたので、小屋でお湯をもらって(ホントは有料みたい)持参した夜ゴハンのカップラーを食べました。食後は雑誌を持って外のベンチで読書タイム…と思ったけど、雲がかなり湧いてきて夕焼けは見れなかったし、かなーり寒くなってきて耐えられなかったので、お風呂にGO。まだ外湯できる時間だっけど、韓国人の女子2人しかいなかったのでゆっくり入れました。お風呂は大きくなかったけどほぼ貸切だったし、かけ流しの露天?もあったしで大満足♪ その後、お部屋で雑誌を読んでたんだけど、時間はたっぷりあるし、部屋も冷えてきたので再び温泉へGO!さすがに外湯の時間は終わってたので、完全な貸切でした。窓を開けて外の冷たい空気に当たりながら、お風呂でのーんびりさせていただきました。あー、気持ちよかった♡
最終日は台風との追っかけっこなので、とりあえず朝ごはんは食べずに食堂前にザックを置かせてもらって、5:00過ぎにサブザックで奥大日岳に向かって出発しました。予想通り、空は一面の雲で晴れる要素は全くなかったです(苦笑)。でも、雨が降るような感じの雲ではなく、ガスってもいなかったので、再び剱岳に会いに行っちゃうことにしました。
去年歩いた木道を通ってまずは新室堂乗越へ。まだ誰もいません…
新室堂乗越からは比較的平坦な道を歩いて行きます。
左手には立山連峰や浄土山、泊まってたロッジ立山連峰も見えました。曇ってるけど、よい眺め~♪
ブルーベリーみたいな実…
奥の三角なお山が奥大日岳かな?手前に小さいピークがあります。
ちょっとだけ紅葉してましたー。色が変だけど…(汗)
やっぱり右が奥大日岳みたいです。
手前の小ピークを越えて行きます。ゆるーい登りです。
近づいてきました~♪
モミジカラマツ…
ミヤマダイコンソウ…?
山肌をトラバースするように登って行きます。なんかイチバン高いところを通り過ぎたような…
立山から登って来るグネグネ道もよく見えました。曇ってたけど、景色が見えてよかった。
稜線に出ると山頂方面の反対側にトレースがしっかりありました。地図を見たらそこがイチバン標高が高かったからホントの山頂はそこなんだろうけど、×マークがあったので入るのはやめて、山頂標識がある方へ進みました。
ウサギギク…
このチングルマ、なんかカワイイ♡
池塘がありました。晴れてたら、きっと青くて綺麗だろーな。
そして、奥大日岳の山頂に到着です。先客さんは前を歩いてたオニーサン1人だけ。写真どーしよーかなーと思ってたら、撮ってくださいました。ありがとーございます!
オニーサンはすぐに下山しちゃったので、しばらく山頂を独り占め。前日は見えなかった日本海もなんとか見えました。
大日岳まで行ってみたかったけど、ここから往復5時間くらいかかっちゃうから、また今度。
前日に登った剱岳…。いや、ホントによく登ったなぁ。
登ってくるヒトがチラホラ見え始めたので下山することにしました。これから雨が降ってくるってゆーのに、みんなゆっくりだね。
ネバリノギラン…
ハクサンイチゲもまだ咲いてました~♪
この×の先がホ最高地点です。かなりしっかりトレースついてるけど、×になってるから行きません。
終盤のカライトソウ…
タカネヨモギ…
景色を眺めながら下って行きます。相変わらず曇ってたけど、薄明るくなってきたカモ。でも、油断できない…
快適な道です。あっとゆー間に下山できそう。
オヤマリンドウ…
コロコロ可愛いシラタマノキ…
色づき始めのナナカマド。もーちょっと色づいててくれてたら嬉しかったけど、予定通り剱岳に登れたし、奥大日岳にも登れたので贅沢は言えません。
ミヤマホツツジ…
木道をサクサク下ってロッジ立山連峰に戻りました。
小屋に戻ると受付前のテーブルを使っていいよってことだったので、サクッと朝ごはんを食べてからパッキングをして、室堂BSに向かいました。一度、雷鳥沢に下ってからの登り返しの階段が小屋泊装備でもやっぱりキツイ!でも、テン泊装備だった前回に比べたら格段に楽でした。それにしても、これから台風が来るってゆーのにテント張ってるヒトやテント担いで登って来るヒトがいて、ツワモノ過ぎるって思いました…。ちなみに、お天気は関係ないと思うけど息ができないくらい硫黄臭がすごくて、タオルで口を塞ぎながら通り過ぎました。
室堂に近づくにつれて観光客が増えてきました。こんなお天気で寒いのによく来るなぁって思うけど、ツアーのヒトは日程変えられないもんね…。室堂には昼前に着いたので、まだ全く混んでなくてスルスルと扇沢まで戻ることができました。空は朝よりどんよりした感じになってきてたから、やっぱり早く下山してよかったー。駐車場は祝日、しかも連休の初日にも関わらずかなり空いてました。
帰りはまだ時間も早かったので、いつも通り下道で帰りました。走り出してしばらくしたら雨がポツポツ降り出したので、やっぱり早めに下山してきてよかったです。山梨に入ると雨はだんだんヒドクなってきて、土砂降りにもなったりしたけど、渋滞することなくおうちに帰って来れました。
急に決めて登った剱岳だったけど、無事に登れてよかったです。お山を始めた頃は、高所恐怖症で鎖場苦手な自分が登ることはないって思ってたけど、いろいろなお山に登って、いろいろなお山から眺めてるうちにやっぱり登ってみたいと思っちゃったんだよね。槍ヶ岳に比べると緊張感はかなり増したけど、ガクブルになるような怖さはなかったし、すごくいい経験になったなって思います。あと、同部屋でたくさんおしゃべりしてくれたオバサンとか、下りルートで一緒に歩いてくれたオジサンとご夫婦とか、いろんなヒトと出会えたのも楽しかったな~♪ 今度は早月尾根から快晴の日に登りたいと思います。