2019年8月2〜5日 薬師岳〜太郎山〜北ノ俣岳〜黒部五郎岳〜双六岳〜弓折岳〜笠ヶ岳(3泊4日・小屋泊)②
1日目:折立BS〜太郎平小屋〜薬師峠〜薬師岳山荘(泊)
2日目:薬師岳山荘〜薬師岳〜薬師岳山荘〜薬師峠〜太郎平小屋〜太郎山〜北ノ俣岳〜黒部五郎岳〜五郎のカール〜黒部五郎小舎(泊)
3日目:黒部五郎小舎〜双六岳〜双六小屋〜弓折分岐〜弓折岳〜秩父平〜笠新道分岐〜笠ヶ岳山荘〜笠ヶ岳〜笠ヶ岳山荘(泊)
4日目:笠ヶ岳山荘〜笠新道分岐〜杓子平〜笠ヶ岳登山口〜新穂高BS
薬師岳山頂でご来光を眺めるために、3:30過ぎに小屋をイチバンに出発しました。カラダもアタマも起きてないからゆっくり歩きたいし、何より日の出前の空の色がすごく好きだから。まだ暗かったからお天気はよくわからなかったんだけど、星は出てないから曇りっぽかったけど、雨は降ってなかったし、日の出が見えようが見えまいが山頂は踏んでおきたかったのでヘッデンの明かりを頼りにゆっくり登って行きました。ちなみに気温は13℃だったので、フリースを着て歩き出します。
薬師岳山頂への登りは特に急なところははなく、難しいところもないから暗くても特に問題なし。九十九折にゆっくり登ってると避難小屋跡に着きました。昨日、最初はここが山頂だってみんな思ってたんだよね。実は山頂はこのちょっと先です。
避難小屋を過ぎると稜線歩き。少しだけ下ってから登り返して行きます。オコジョに会ったんだけど、暗くて写真には撮れず…残念。そして、山頂が見えてきました。
かなりゆっくり歩いて1時間くらいで山頂に着きました。雲がけっこう出てたものの、周りの山々の姿を見ることはできました。やっと槍ヶ岳が見えたよ~♪
北薬師岳と金作谷カール。今度は五色ヶ原を通って室堂まで縦走したいな。
剱岳、立山、そして後立山連峰…。青空の時に眺めかったけど、これだけ見えれば十分。昨日登ってもこんなに見れなかったハズだから、今日登って正解でした。
雲に隠れて日の出は見えないか、雲の上に出るまでに時間がかかりそうだったので、早々に下山することにしました。15:00くらいには黒部五郎岳に着かないとお天気崩れるかもしれないって思ってたから…
下ってる途中で振り返るとお日さまが昇って来てました。予想通り雲の中だったけど。
みんなは山頂から眺めてるかな?またお天気のいい時に来るって誓って下山再開します。
カールの向こうに赤牛岳、水晶岳、野口五郎岳。赤牛岳にも行きたいなぁ…
槍ヶ岳、穂高連峰、三俣蓮華岳、双六岳、笠ヶ岳、黒部五郎岳と名山をズラーっと見渡せました。
さっさと薬師岳山荘に戻らないとなのに、ついつい足が止まっちゃう…(汗)。急がないとなので薬師岳山荘に戻ります。
薬師岳山荘に戻って急いでパッキングしてすぐに下山開始しました。今日は行程短めでのんびり歩けるはずだったんだけど、+2時間になっちゃったからねのんびりしてられません。下り始めて白山が見えてることに気づきました。なんか水墨画みたい。
とりあえずどんどん下ります。正面のちょっと尖ってる黒部五郎岳に登って、黒部五郎カールを下って、黒部五郎小舎まで行かないとだから。けっこう遠いなぁ。やっぱり、昨日のうちに薬師岳山頂に行っておきたかったな。
昨日登って来た道を戻ってるだけなのに、またお花に目がいっちゃいます。イワイチョウ…
タカネヤハズハハコ…
右の北ノ俣岳を通って左の黒部五郎岳に向かいまーす。初めて歩くところはいつもワクワクします♪
ハクサンボウフウ…かな?セリ科はホントに苦手(汗)
木道に出て薬師平まで下って来ました。休憩せずに一気に下ります。
ここの右後ろに雪渓があります。ちょっと登れば行けそうなんだけど、朝でまだ涼しかったからスルーです。雪渓の雪解け水が小さい沢みたいになって流れててちょっと涼しいので、昨日はここで休憩してるヒトがけっこういました。
そして、ここにはアオノツガザクラが群生してます。これだけたくさんのアオノツガザクラを見ることってあんまりない気がする。
ウサギギク…
どんどん下って樹林帯に突入です。みんなが夜中に嵐みたいだったって言ってたけど(自分は爆睡で気づかず…笑)、確かに沢の水量がかなり増えてました。岩が湿ってて滑りそうだったから慎重に下ったら、下りにもかかわらずCTくらいかかっちゃいました(汗)
クロトウヒレン…
薬師峠のテン場からは少しだけ登り返します。雷鳥沢のテン場からの登り返しはテント担いでるとマジでキツイけど、ここは大した距離じゃないです。
ミヤマホツツジ…
快適な木道歩き~♪
気づくと少しずつ青空が広がってきました。高度を下げたから槍ヶ岳は穂先しか見えなくなりました。
太郎平小屋に着いた時には、朝の雲がウソみたいに少なくなって青空が広がってました。このお天気のうちに黒部五郎岳に着きたい!って思って、水の補充だけしてすぐに出発しました。小屋前の広場?には土曜の朝なのにヒトはほとんどいませんでした。小屋に泊まってたヒトは出発済み、バスのヒトは数時間後の到着でちょーどヒトがいない時間だったのかも。
まずは太郎山に向かって木道をゆるりと登って行きます。この道は少し先で薬師沢・雲ノ平方面と分岐します。
元気に咲いてるニッコウキスゲ。おはよ~♪
振り返ると今朝山頂に立ってた薬師岳がかなり遠くなってました。下りだったから、早かったな…
太郎山はメインの登山道からちょっと逸れてたけど、なかなかここには来れないと思ったので寄ってみることにしました。近くを歩いてたヒト達はみんなスルーしてたけどね。草原の中を少し歩いて行くとすぐに着きました。
公式の山頂標識もないし、特になんてことない山頂だったから寄る必要もなかったかな(笑)。白山はよく見えました。
登山道に戻って次の北ノ俣岳に向かいます。草原の中を木道がずーっと敷いてあって、ヒトは全然いないし、お花はちょこちょこ咲いてるし、めっちゃ素敵なところでした。癒される~♡
池塘がたくさんある草原の向こうに見える北ノ俣岳は、とてもたおやかな山容でした。岩々で緊張するお山よりも、こーゆー心が落ち着くお山の方がやっぱり好きなんだよね。ほどほどの岩々は楽しいんだけど…
時間にヨユーがあればのんびり歩きたい道だったけど、カメ足の自分にのんびりするヨユーなんてなし!黒部五郎岳の取付きまで前後しながら歩いてた3人組に大きく後れをとらないように歩きました。
木道が終わるとこんなところを登って行きます。
こんな石ゴロゴロのところもちょっとあります。ちょっとだけ急です。
ハナニガナ…
立ち止まって振り向いてみると、いつの間にかけっこう登って来てました。さっき木道を歩いて来たところが一望でしました。いや~、サイコーに癒しの道だったな。お天気がよくてよかった♪
薬師岳もキレイに晴れてました。こーゆー時に山頂にいたかったよ…。それにしても、どっしりとしててカッコイイな。
登りが落ち着いたところでみんな休憩中だったけど、自分はそのまま北ノ俣岳に向かって進みました。涼しいうちにできるだけ進んでおきたかったし。
チングルマもいっぱーい♡
コバイケイソウやミヤマダイコンソウや他にもたくさん!じっくり写真を撮りたい気持ちを抑えて、北ノ俣岳の山頂に向かいました。
山頂に向かう道はカーブを曲がると平坦な木道になって、木道が終わるとハイマツの中を登って行きます。
北ノ俣岳に到着です。ここからも白山がよく見えました。いいお天気でヨカッター♪
って喜んでみたものの、今日の目的の黒部五郎岳はまだまだ遠い…(汗)。しかも、黒部五郎岳から黒部五郎小舎までは2時間近くかかるしね。何度か繰り返されるアップダウンと黒部五郎岳の肩までのキツそうな九十九折の登りが見えちゃったので、急ぎつつも体力を温存しなくては…と思いました。
北ノ俣岳から下って赤木岳に向かいます。さっきまでのお花畑みたいなところはなかったけど、相変わらずお花はちょこちょこ咲いてました。ミヤマアキノキリンソウ…
ミヤマリンドウ…
ライチョウの親子に出会いました~♪ 前後しながら歩いてたテン泊装備のカップルが熊鈴鳴らしてたから会えないかなって思ってたけど、ちょーど自分しかいないタイミングだったから静かに観察しちゃいました。
ミヤマダイコンソウ…
赤木岳に登って行きます。
大した登りではなかったけど、上の方はちょっとだけ岩がゴロゴロしてました。
赤木岳です。登山道は山頂からちょっと外れてました。ホントのピークには行けるのかな?特に印とかはなかった気がします。
薬師岳がどんどん遠くなっていきます。それにしてもいい眺めだなぁ~♪ ずーっと見ていられそう。
軽くアップダウンしながら進んで行きます。黒部五郎岳まであと2つくらい小ピークがあるのかなー?
アップダウンはあるものの気持ちよく歩ける道です。朝、薬師岳ピストンさえしてなかったら、もっとのんびり歩けたのにちょっと急ぎ目で歩きました。
だって、さっきまで青空だったのに、いつの間にか雲が増えてきちゃいました。雨と雷、ちょっと待っててーって祈る気持ちで歩きます。
ミヤマダイモンジソウ…
ここにもコバイケイソウが咲いてる!五郎のカールはきっとすごいことになってるんだろーなーってワクワク♪
黒部五郎岳が雲に覆われつつあるよ…。まだまだ遠いのに(汗)
ナナカマドのお花が咲いてる~。秋にはこのアタリは真っ赤っかになるんだね。
まだ蕾も付けてるハクサンシャクナゲ…
コケモモ…
ここを登って下ると黒部五郎の肩への取付きです。ケータイ確認したら電波がバッチリ入ったので黒部五郎小舎に予約の電話をしました。お天気悪くなってきちゃったし、黒部五郎の肩への登りにどのくらい時間がかかるかわからなかったから…。ちなみに黒部五郎小舎への直通電話はないので事務所に電話しました。この直前の電話でちゃんと小舎に伝わってたかは謎だけど(笑)
完全にガスガスになってしまった…。下の方に団体さんが休憩してるのが薄っすら見えたけど、黒部五郎の肩までどのくらい登るのかが全くわかりません。
ちょっとだけして黒部五郎岳の肩へ登って行きます。トレランスタイルのオニーサン達は颯爽と抜かして行きました。雨が降る前に小屋に着きたいから急ぎたかったけど、なかなかな登りでペースが上がるはずもなく…(泣)
結局、ちょこちょこと立ち止まりながら登って行きました。北ノ俣岳から見た時はめっちゃ急登なのかと思ったけど、そこまでではなかったです。
登山道がトラバースっぽくなってしばらくすると稜線に出て、黒部五郎の肩に到着しました。黒部五郎岳の肩は高校生の登山部とかいてとっても賑やかでいした。こんなにたくさんのヒト、一体どこから出てきたの?って思ったけど、双六や三俣方面から来たヒトたちもいるもんね。
後で下っていく五郎のカール。遠くに赤い屋根の黒部五郎小舎もちっちゃく見えました。
カールへはこの稜線を歩いて、真ん中アタリに見える白い筋っぽいところを下って行きます。
今にも雨が降りそうな感じだったけど、山頂ピストン25分って書いてあったから、ザックデポして手ぶらでサクッとピストンすることにしました。
登ってる間にどんどんガスがひどくなってきました。でも、黒部五郎岳の山頂はすぐそこ!
空身はやっぱりカラダが軽くてあっとゆー間に山頂に到着です。ここからの展望もめちゃくちゃ楽しみにしてたけど、完全に周りは真っ白でした(涙)
写真を撮ってもらってる間に雨が降ってきて、慌てて下山し始めるもどんどん雨が強くなって…。ライチョウを写真に収めようと必死のオジサンを横目に転げ落ちるように走って下って肩に戻って、急いでレイン着て、ザックカバーを装着。なんとかずぶ濡れにはならずに済みました。お天気崩れるの早すぎるよ~っっ。テンション下がりまくりだったけど、稜線沿いを歩いてカールへの分岐に向かいました。
この下り、秋田駒ヶ岳のムーミン谷を思い出すなぁ。お天気よかったら絶対に気持ちいいところのハズなのに…
雨でなかなか写真は撮れなかったんだけど、気合で少しだけ撮りました。青空の時に撮りたかった(泣)
楽しみにしてたコバイケイソウたち…。すごい数でした。
まさに満開って感じでした。近くで見ても特別カワイイって感じのお花ではないんだけどね。
下って来ました。岩と石がゴロゴロした道を歩いて行きます。ここをイチバン楽しみにしてたんだけど、雨が降ってるのでサクサク進みます。
岩々のところは稜線ルート。一般的じゃないって書いてあったけど、次に来る時は通ってみたいな。眺めよさそーだし。
稜線の分岐からカールを通って小屋までは、山と高原地図だと1時間40分になってたけど、カールの中の大きな岩に“”小屋まで2時間”という文字を見つけちゃいました。お天気がよければ、のんびり時間をかけて歩くつもりだったから2時間でもよかったんだけど、このお天気でここから2時間はちょっと長いな…(汗)
1時間くらい雨の中を歩いてたらだんだん小降りになってきて、そのうち雨は止んでくれました。すぐに晴れることはなく相変わらずのどんより空だったけど、レインが脱げて嬉しかったです。晴れてたら間違いなく絶景だよ、ココ。
雨でしっとりしたミヤマキンポウゲ…
チングルマと遠くの山並み…。雲が少しずつ晴れてきました。
ミツバオウレン…かな?まだ咲いてるなんて!!
カールを抜けると樹林帯を出たり入ったりしながら進んで行きました。樹林帯の中は岩がロゴロゴしてて、ちょっと歩きにくかったです。
このアタリはオオヒョウタンボクがたっくさん!
オンタデ…かな?
数株しか見かけなかったけど、ムシトリスミレも咲いてました。
どんどん下って行きます。ドロドロのところや、沢状になってるところもあるのでなかなか気を使いました。
途中にもいくつか沢っぽいのはあったけど、ここの沢がよさげだったのでここで顔と髪を洗いました。サッパリ~♪ 夏だからビショビショでも寒くないからね。
最後、ほんのちょっとだけ登り返すと視界が開けて黒部五郎小舎が見えてきました。草原の中のにポツンと立ってます。
今回の山旅で初めて見たハクサンフウロ…
小屋の方はとても感じがよくて、親切にいろいろと小屋の中のことを説明してくれました。お部屋は女性のみの7人部屋に7人で布団は1人1枚でした。最後に入ったからイチバン手前だったけど、早朝に出発する予定だったからちょーどよかったです。
夜ゴハンは2回目の18:00からでした。メインはまたしてもとんかつ!2日連続でとんかつを食べることになると思ってなかったけど、とんかつ、サーモンのマリネ、おそば、ニンジンのゴマ和え、ポテトサラダ(ちょっとしょっぱい)、お麩がたくさん入った味噌汁…どれもこれも美味しくて、丸1日ぶりのまともなゴハンをおなかいっぱい食べられてとーっても幸せな気分になりました(笑)
夜ゴハンの後、部屋で同じくソロの女性とおしゃべりしてたら窓の外が赤くなってきた気がして外に出てみたけど、夕焼けは本日も不発でした…。でも、雨が上がってくれただけでありがたい!
小屋も小屋の外もdocomoすら電波が通じなかったから、明日向かう予定の笠ヶ岳のお天気がわからず…。小屋の黒板で見た高山の予報は午後から崩れる感じだったので、とりあえず予定通り双六小屋まで行ってからその後を決めることにして、20:00には寝ました。 薬師岳のご来光は不発だったし、黒部五郎岳の展望もなかったけど、日中は青空の下気持ちよく歩けてよかったです♪