2016年4月29日〜5月1日 涸沢カール(2泊3日・テント泊・雪山)
1日目:上高地BS〜明神〜徳沢〜横尾〜本谷橋〜涸沢(泊)
2日目:涸沢〜本谷橋〜横尾〜徳沢(泊)
3日目:徳沢〜明神〜上高地BS
GWどこに行こうかイロイロ迷ったけど、やっぱり去年見た涸沢のステキな風景が忘れられない…とゆーことで、仲間さんと涸沢に行って来ました!ホントは北穂高岳に登るつもりだったんだけど登ることができず、涸沢まで歩荷練習しに行った感じになりました(苦笑)
GW最初の3連休、天気予報では冬型の気圧配置。北アルプス方面は荒れる予報になってました。3日間通して強風予報、29日の午後から30日の午前中まではかろうじて晴れるかな?って感じだったけど、29日午前中と1日は降雪予報。ソロだったら絶対行き先変えてる状況だったけど、お仲間さんが行くとゆーので決行することに。無理だと思ったら、徳沢か横尾でお留守番してよってくらいの気持ちでした。
早朝、家を出た時は風もなく快晴。これなら大丈夫かな?って思っちゃいました。沢渡の駐車場は少し雲が出てたものの晴れてて、でも少し風があって気温が低かったので、念のため夏用のパンツから冬用のパンツにはき替えました。バスに乗って上高地まで移動したらチラチラなんか降って…る?晴れてるけど雪が降ってるってことは、お山で降ってる雪が風で飛んできてるんだろーなーって、お山はやっぱり雪なのかーって思いながら歩き始めました。案の定、穂高方面はガッツリ雲がかかってました…
行きはウキウキだから、こーゆーのも単純に“キレイ~♪”って感動できちゃいます。去年もそーだったけど、帰りはそんな余裕ないもんね(汗)
去年のGWと違ってかなーり寒いことが予想されたので、今回は冬装備。厳冬期用のシュラフにスコップも持って、ほぼ厳冬期のソロ装備に近い感じだからかなりザックは重かったし、冬靴は歩きにくかったけど、最初はサクサクと歩いて行けました。
去年は、平日から入ったにもかかわらず登山者がいっぱいだったのに、今回は明らかに少なくて、やっぱり天気予報みて回避したんだろーなって感じでした。明神館前のベンチもガラガラで選び放題でした。
明神から徳沢に向かってる途中で、明神岳にかかってた雲がなくなってキレイに見えるよーになりました。やっぱり、こーでなくっちゃ(笑)
めっちゃ空いてる徳沢のテン場を通り過ぎて、横尾に向かいました。上空で強風の音はするものの、この頃にはチラチラしてた雪も舞ってこなくなってなかなかいいお天気に。
梓川の遥か向こうに見える白いお山はなんだろー?大天井岳とかかな?それにしても、日差しがどんどん強くなってきて、気温は低めのはずだけどけっこう暑かったです。
そして、横尾に到着〜。去年はここまでクロックスで来たけど、今回は荷物を減らすために冬靴で歩いて来たら、すでに靴ズレしちゃいました(泣)。元気に泳いでる鯉のぼりに励まされて、ここから本格的な登山道へ…行ってきまーす♪
屏風岩が見えてきました。だんだん涸沢に近づいてるって感じ。
しばらく歩いてもなかなか雪は出てこなくて、デカザックのおかげでちょっとした岩の段差がめちゃくちゃキツかったー。去年は、ほとんど雪に覆われててフラットだったからなぁ…
その後もちょっと残雪があるものの、基本的に夏道。本谷橋まではヨユーな道だと思ってたのに、段差を登る度にデカザックの重さがずっしりと足にのしかかりました。
こんな感じのところが2ヶ所ありました。ストックがあった方が渡りやすいかも。
屏風岩が目の前に~。クライミングしてるヒトいるのかな?ゴツゴツして迫力あります。
この景色になるとそろそろ本谷橋かなって思います。
去年はなかった本谷橋に着くと、それまでほとんどヒトに会わなかったのに、ポツポツとヒトがいました。休憩してるのかな?と思ったら、みなさんアイゼンをつけてました。去年の経験から、冬道ならアイゼンは要らないかなーって感じだったんだけど、夏道は様子がわからないからどーしよーか迷ったけど、アイゼンつけると足が重くなって余計に疲れるから、とりあえずノーアイゼンで行くことに。
ガッツリ雪はあったけど、道をしっかり作ってくれてたので、結果的に自分は涸沢までアイゼンは必要なかったです。お仲間さん以外はみなさんつけてましたけど。
去年はたくさん雪が売降ったにもかかわらず雪解けはかなり早かったけど、でも、さすがにこの沢はもっと雪まみれだった気がする。
特に急でもない、よくわからないところにロープが張ってあったけど、何だろ??3ヶ所くらいにあったかな?
夏道を歩いたことないだけにルートがイメージできてなくて、目指すお山がめっちゃ遠く感じて、夏道だとどんだけ遠回りして行かなきゃなんだろ?ってゲンナリして、夕方までに辿り着けないかもってビバークの文字がアタマをよぎったりしたけど、しばらくすると懐かしの?前穂高岳が見えてきて、自分達が南岳を見てたことがわかりました(苦笑)。周りにそこそこヒトはいたから、自分達が辿り着けなかったらみんな辿り着けないのに、全く誰も焦ってなかった。冷静に考えれば、わかったハズなのに…どんだけ疲れて思考回路停止してたんだっ!(笑)
前穂高岳が近づいて来たし、吊尾根も見えてきたけど、デカザックの重さでだんだん足が…
しばらくすると涸沢ヒュッテが見えてきて、あとちょっとだーって思ったら、途端にサクサク歩けるよーになりました。
今まではフラットに近いところをトラバース気味にずっと歩いてきたけど、広いバーンになってここからが登り。かなり足が疲れてきてたので休み休み登りました。でも、だんだん涸沢が近くなってキター♪
去年は、涸沢ヒュッテと涸沢小屋の分岐にテン場は涸沢小屋方面へって書いてあったのに、今回はなし。テン泊装備のヒトはみんなヒュッテ方面に進んでたけど、涸沢小屋方面が正解なのわかってたので、涸沢小屋方面へ向かいました。
デブリ…かな?
前穂高岳がかなり近くなってキター!涸沢ヒュッテの鯉のぼりが元気に泳いでるのも見えました。
あとちょっとなのに足がなかなか前に出ず…(泣)。登って来た道を振り返りながら休んでみたり。
ここからテン場までが遠かったー(泣)。やっとテン場に着いた時は脱力でした。テン場は予想通り空いてて、去年とほぼ同じ場所が確保できました。
強風予報だったから、なんとなーく雪壁も作成。でも、雪がザラメっぽい感じで、割り箸ペグを埋めても埋めても浮いてきちゃってガイラインがしっかり張れず苦労しました…。テント張ってる間に雲がどんどん湧いてきて、お日さまが隠れちゃったからかなり寒くて。フリースグローブしてたけど、あっとゆー間に手の感覚がなくなっちゃったのでテムレス出動(笑)。外に置いておいたプラティパスもすでに凍り始めてたし。
強風の中、何とかテント張って中に入ったら、もー出る気はなくなってテントの中に籠りました。雲が多くて夕焼けにもなんなかったけど、なんとかテントの中からそれっぽいモノを撮りました…
日が落ちると雪は降ってくるし、相変わらず強風でどんどん寒くなってきたので、夜ゴハン食べてシュラフに潜り込みました。寒冷地用のガスを持って来なかったから、ガスがプスプスいってて心配だったけど、なんとかゴハンは食べられました。寝る時はいつも通り耳栓したけど、それでも聞こえてくる風の音…。しかも、ガイラインをしっかり張れなかったテントが煽られ過ぎてバタつきまくって、シュラフをグイグイ押してくる。テントの下にも風が入ってきて、浮いてるんじゃないかって思う瞬間もあって、全く寝れませんでした。唯一、ダウンソックスをはかなかったから足先が若干ヒンヤリした以外は全く寒くなかったのが救いかな。イスカAir800exとサーマレストプロライトプラス+銀マットのおかげだなー。明け方、テントから外を見たら晴れて月は出てたけど、相変わらずの強風…。この時点で“北穂高岳に登るのは無理かな”って思ってました。
常念岳~蝶ヶ岳方面がだんだん赤くなってきました。モルゲンロートが見れるかも?ってちょっと期待。
テン場もかなり明るくなってきてみんながちょっとずつ動きだしました。相変わらず風が強くて寒かったぁ…
寒い中、待っていたら、ちょっとだけモルゲンロート見れました♡真っ赤にはならなかったけど、薄いピンクでキレイでした。ちなみに、5時の気温は-10℃だったみたいです。
いいお天気だったからめっちゃ迷ったけど、ほとんど寝てない状態でグッタリしてたし、立ってるだけで風に煽られてフラつく瞬間があったし、その時点で北穂高岳に登ってるヒトが誰もいなかったから、自分は不安になって登頂は断念(涙)。お仲間さんは涸沢岳へ行くとゆーので、その間、大好きな景色を眺めながらブラブラお散歩しました。
最初に前穂高岳に向かって登り始めたヒト達がいたけど、その後に出発したのは奥穂高岳と涸沢岳に向かうヒト達。写真だと強風が写らないから絶好のコンディションに見えちゃうなー
北穂高岳に向かうヒト達はちょっと遅れて出発~。正直、見てると登りたくなっちゃってウズウズしてたけど、ガマンしました。
雪煙がアチコチで上がってたり、雲の流れがめちゃくちゃ早かったので、稜線はもっと風が強そうでした。
前穂高岳に向かってるヒトはあまりいなかったな…
北穂高岳に登れなかったのはめちゃくちゃ残念だったけど、それでも青空の涸沢に来れてヨカッター♡この景色が大好きです。
それにしても、テント村ちっちゃいな~。去年は、かなり下の方まで斜面にテント張ってあったのにね。
お仲間さんが戻ってきて、強風の中、苦労してテント撤収してると穂高岳山荘のアタリでヘリがホバリングしてました。“荷上げかなぁ?”って言ってみたものの、GWのこんなヒトの多い時期(例年よりはかなり少なかったけど…)のこんなヒトの多い時間に荷上げなんかするはずないんだよね…。でも、荷上げだって思いたかったんだよ。
テント撤収してから涸沢ヒュッテの前のベンチで景色を見納めしてたら、強風に乗って雲がどんどん流れてきて…
いつの間にか空は雲だらけに。
午後からお天気が崩れる予報だったので、さっさと下山することに。最後に北穂高岳を眺めながら、来年こそ絶対登るぞー!!と心に決めました。
とゆーことで、下山開始。下界のお天気はまだまだ良さそうな感じでした。
下山し始めたのに、名残惜しくて振り返っちゃいます…
目の前に見えたお山はどこだろ??かなり雪が残ってそうでした。
涸沢がどんどん遠くなってく…。もっとずっといたかったけど、やっぱりお天気が悪くなりそーだったので、いいタイミングで下山し始めたのかも。
たくさんのヒトがどんどん登ってくるから、細い道でのすれ違いがなかなか大変でした。アイゼンは必要なかったけど、ピッケルは登りのヒトを避ける時に自分を支えるのに手に持ってて役立ちました。デカザックの重さで緩い傾斜でも自分が思ってる以上に滑るので慎重に下りました。だったらアイゼンつけろよって感じだけど、危なくはないところだったので練習ってことで。結局、今回の山行でアイゼンは一度も使わなかった…
前日は、このアタリでこの景色が見えてかなりホッとしたんだった…。もー、間違えることはないと思います!(笑)
散々、勘違いしていた南岳が見えてきました。全く方向もカタチも違うのに、どーして勘違いしたのかは謎です。南岳新道はかなりキツそーだけど、南岳経由で稜線歩いて槍ヶ岳にも行ってみたいな。
本谷橋に出る前の樹林帯は、たくさんのヒトに踏まれて、雪が減ってきてました。それにしても、軽装のヒトがけっこういたな~。お天気崩れそうなのに大丈夫かな?って、ちょっと心配になりました。
本谷橋に着く頃には、腰骨が激痛。そーいえば、去年もこのザックでめっちゃ腰骨が痛くなったことを思い出しました。夏は1つ前のモデルの55Lでなんの問題もないんだけど、新しいモデルのヒップベルトが合わないのか、重過ぎるのか…。確かに、オスプレーのエーリエルは12〜13kgまでなら快適、グレゴリーのディバは重くなればなるほど快適って誰かのブログに書いてあったな。でも、ディバはウェイトかけなくてもショルダーベルトが痛くてダメだったんだよね〜(汗)
段差を登り下りする度にザックの重さが腰骨にかかってとにかく痛くて、なかなか前に進めず(泣)。足はまだまだ元気だったんだけど。
やっとのことで横尾に着いたけど、平坦な道をただ歩くだけでも腰骨が痛くて痛くて(泣)。何とか徳沢に着いた時にはやっとザックを下ろせるってホッとしたけど、雨が降ってきたからこのまま上高地まで行くか迷いました。でも、このペースじゃ最終バスの時間がビミョーだったので、予定通り徳沢で1泊することに決めてソフトクリーム食べてたら、いつの間にか雨が本降りに…。雨の中、テント張って小降りになるの待ったけど、雨と風はヒドくなるばかり…。結局、夜ゴハン食べて、テントから出ることなくそのまま寝ちゃいました。
夜中に目が覚めた時に外を眺めたら星が出てたから、朝にはいいお天気になってることを期待したけど、起きたら相変わらずの雨と風。松本の天気予報は晴れだったけど、お山の予報は雨(山頂付近は雪)だったから予報通り。徳沢でこのお天気だぅたら、涸沢は間違いなく吹雪だな…なんて思いつつ、ゲンナリしながら朝ゴハン食べて、雨の中の撤収。雹も降ってたし!レイン着て、ザックカバーして、雨を吸ったテントのせいでちっとも軽くならないデカザック担いで、腰骨の痛みに堪えながらヨロヨロ歩いて上高地に戻りました。
雨の中、なんとか撮ったフキノトウ…
そして、涸沢に向かう時は咲いてなかったけど、やっぱり咲き始めてたニリンソウ。去年と同じパターン。カワイイな~
帰りは、いっぱいお花の写真撮りながら歩きたかったのに雨は降ってるし、一歩足を出すたびに腰骨は痛いし、とにかく早く上高地のバス停に着きたくて、そんな余裕は全くありませんでした…(涙)。上高地に着く頃には雨は止んでて、タイミングよくバスもきて、駐車場に戻ったら晴れてました。時間が早かったからか、中央道の渋滞に巻き込まれることもなくのんびり帰りました。
今回は何事もなく無事に帰って来れたけど、やっぱりあんな予報で行くべきじゃなかったなーと思います。自分が行くべきじゃないと思ったら、ちゃんと断るべきだった。でも、北穂高岳に登らないってゆー決断は我ながらよくしたなって思います(笑)。めっちゃ登りたかったし、たぶん、問題なく登れてたハズだけど、寝れてなかったし、早朝の雪のコンディションもわからなかったから、自信がなかったんだよね…。お日さまが完全に上って、どんどん出発して行くヒト達が羨ましかったけど、自信がない時はちょっとしたことで気持ちが折れちゃう自分の性格をよーくわかってるから、グッと堪えてガマンしました。ちなみに穂高岳山荘付近でホバリングしてたヘリは、そうであって欲しくないと願ってたけど、やっぱり滑落でした。奥穂高岳に向かうハシゴの後のあの雪壁。滑落防止ネットがあるハズなのに落ちたって、どーしてだろ…
それにしても、自分の体力のなさを改めて感じちゃいました。涸沢までのあんなユルユル登山道でヘロヘロ。厳冬期のソロテン泊装備だと、これ以上のところに登るのは無理だなってよーくわかりました。やっぱり誰かと共同装備じゃないと。あとはデカ、ザックを見直さなければ。たぶん、今回は18kgくらいだったけど、20kg位まで腰で担げるザックが欲しいなぁ。足は元気なのに腰骨が痛くて歩けないとか、もーイヤだし。
イロイロ反省も課題もあるけど、また涸沢に行くのが楽しみです♪秋には奥穂高岳へ。来年のGWは今度こそ北穂高岳へ!
※追記:数日後に小豆沢で滑落して亡くなった方がいらっしゃったと聞いて、“去年みたいにカチカチに凍ったのかな?”と思ったのとジャンで遭難したパーティーがいたらしいので、その詳細が知りたくて穂高岳山荘のブログを読みました。ヒトのことをとやかく言えるレベルではないので、何も意見することはできないけど、来春までに穂高に登れるスキルを身につけて再訪したいな、と思いました。