2016年1月10〜11日 甲斐駒ヶ岳(1泊2日・小屋泊・雪山)

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1日目:尾白渓谷駐車場〜竹宇駒ヶ岳神社〜笹ノ平分岐〜前屏風ノ頭〜刃渡り〜刀利天狗〜五号目〜七丈小屋(泊)

2日目:七丈小屋〜八号目御来迎場〜山頂手前岩場〜八号目御来迎場〜七丈小屋〜五号目〜刀利天狗〜刃渡り〜前屏風ノ頭〜笹ノ平分岐〜竹宇駒ヶ岳神社〜尾白渓谷駐車場

 

お正月明けの3連休。せっかくの連休なんだから泊りでお山に行きたいなーと思って、お仲間さんと甲斐駒ヶ岳に行ってきました!しかも、キツイと有名な黒戸尾根から。レコ見た感じだと、確かに標高差あってキツそーだけど、それほど難易度は高くなさそうだから行けるかな、なんて思って行ってみたものの…

 

朝、家を出た時は、星がキラキラしてて晴れの予感。ウキウキしながら向かいました。駐車場に着くと思ったより車がたくさん!こんなに黒戸尾根から甲斐駒ヶ岳に登るヒトいるの?!って一瞬ビックリしたけど、ここから日向山にも登れることを思い出しました(笑)

 

今回は、危険箇所もあるので竹宇駒ヶ岳神社で安全祈願。別に神頼みってわけじゃないんだけどね…

 

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そして、吊橋渡って尾白川渓谷の遊歩道へ。

 

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相変わらず尾白川のお水は綺麗だなぁ。今年の秋は、渓谷沿いを歩いて日向山に登りたいっ!

 

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登山道に入るといきなりそこそこの九十九折の急登。落ち葉が積もってて、中に石とか木の階段とか隠れててちょっとだけ歩きにくかった〜。でも、先は長いのでとりあえずゆっくりゆっくり登りました。

 

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しばらくすると、落ち葉の量が増えてきてフカフカ~♪ベース+フリース(薄手)+ポーラテックアルファのジャケット着てたら暑くて暑くて…ジャケットはすぐに脱ぎました。

 

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笹ノ平分岐アタリはその名の通り笹だらけ。標識には甲斐駒ヶ岳7時間って書いてあった。ここまでCTで約2時間半だから登りだけで計9時間半だもんね。日帰りするヒトが信じられないっ(汗)

 

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八丁登りはなかなかの急登でした。相変わらず、ゆっくり歩いてたから全くキツくはなかったけど。一見、ところどころに雪が残ってるだけの落ち葉と土のホコリっぽい夏道なんだけど、それはうわべだけ。中はツルツに凍結してて、め下りはめっちゃ滑りそうな危険ゾーン。

 

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八丁登りを登りきって緩やかな登りになると大きい岩がゴロゴロしてきました。

 

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と、突然開けてウワサの刃渡りが登場~!両側は切れ落ちてるけど、しっかり鎖あるし、ステップ(溝?)もあるから登りは全く問題なし。ただ、ここも凍結してるところがあるから、下りは滑りそう。実際、前から下ってきたヒトは滑ってました。上から見るとこんな感じでけっこう高度感はあるかも?

 

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でも、刃渡りの上はとても眺めがよかったです♪振り向くと八ヶ岳

 

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左を向くと鳳凰三山。どちらも晴れてて気持ちが良さそー

 

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刃渡りの後、間髪いれずに痩せ尾根。

 

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ここも特に問題ないけど、やっぱり凍結箇所あったから下りは要注意だなー

 

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その後、これぞ黒戸尾根って感じのゾーンに突入!まずはハシゴ。奥に写ってる下りのヒトはハシゴ使ってないけど(笑)。でも、ハシゴといっても、足を置く部分がいわゆる鉄の細いヤツじゃなくて丸太みたいにしっかりしてるヤツでした。一見、階段ぽいけど隙間あるからやっぱりハシゴ?アイゼンでかなり削られてるものもありました。

 

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そして、鎖付きハシゴ…

 

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また、ハシゴ…2段階で上はロープ付き。

 

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ロープ付きハシゴを上から見下ろしたところ。等間隔に綺麗に結び目が付いてました。

 

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支柱部分が赤っぽいハシゴ…

 

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最後に鎖…。まあ、このくらいならなんてことないかな〜って思いつつもハシゴも鎖も慎重に通過。

 

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やっとのことで、刀利天狗に到着~。五合目でランチするつもりだったけど、オナカ空き過ぎてここで軽くランチしました。自分がノロノロで、時間かかっちゃってたからね…(汗)

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ちょっとだけ緩く登って行くと…

 

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戸山を巻いてる感じの平坦な道になりました。苔っぽいところに日差しが差し込んで癒されました~♪

 

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しばらく平坦なところを進むと、せっかく登ったのにかなりの下り。しかも、雪も凍結箇所も増えて、滑りそうだったのでかなり慎重に歩きました。

 

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下り終わると五号目の小屋跡でした。テントが数張りあって、ここから山頂アタック?!と思ったけど、どーやらアイスのヒト達だったみたいです。明日目指す甲斐駒ヶ岳の山頂がドーンと見えて、テンションが上がったことは上がったけど、まだまだあんなに遠いのか…って思ったのが正直な気持ち(苦笑)

 

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念のためアイゼン装着して鞍部に下りました。祠があって広場みたくなってた。石碑とか刀とかもいーっぱい。ここまでの登山道にもたくさんあったし、ホントに信仰のお山なんだなぁ…

 

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ここからまた、怒涛のハシゴと鎖ラッシュ。まずは、この登山道でイチバン長いハシゴ…

 

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撮り方がよくなかったみたいで平らに見えるので、上から撮った写真も…

 

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鎖付きハシゴ…

 

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ロープ付き岩場…

 

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鎖付き岩場とハシゴ…

 

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途中でちょっと休憩的な平らなところもあったりします。この時は、“こんな感じなら問題ないな~♪”なんて思ってました。

 

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こんな大きい岩の陰のハシゴを登ると…

 

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橋が出て来ました。奥にはハシゴもあります。片側にロープがあるけど、かなり隙間があって揺れるので、高所恐怖症のヒトにはコワイかも…

 

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赤い支柱のハシゴ…

 

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また、ハシゴ…

 

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そして、垂直なハシゴ…

 

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またまた、ハシゴ…

 

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どんどんハシゴを登って…

 

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さらにハシゴを登って…

 

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本日、イチバン怖かったところ。鎖は約3m、傾斜は70°くらいの一見垂直にも見える岩場。ステップはあったけど、狭い上に段差がちょっとデカイ。鎖掴んで腕力で引き上げないとダメ。腕力に自信がないから登りはめちゃくちゃ怖かった…

 

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そして、やっとのことで七丈小屋に到着。登りならここまでアイゼン必要なかったかも?小屋の前は除雪してるってこともあるだろーけど、雪はなし。第一と第二と2つあって、第二に泊まりました。前日はアイスのヒト達でかなり混んでたみたいだけど、今日はお客さんの数と布団の数がピッタリ。おしるこ、インスタントコーヒー、野菜ジュースくれるけど、要らないので小屋代安くして欲しいな~(笑)。小屋は常に(夜中も)20℃になってて暖かいので、ダウンとか不要。前はやかんのお湯が使い放題だったみたいだけど、有料になったみたい。ちなみに、寝具なしのヒトもすでに布団敷いてあるからって寝具付きの料金になってた。水は、ポリに入っててポリ臭がすごいけど、無料でもらえるだけありがたかったな…

 

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19時くらいには布団に入ったものの、なかなか寝付けず、おまけに夜中はすごい風の音がしたりしてあんまり寝れなかった。耳栓新しくしないと(笑)。早々に起きちゃったので、準備して5:30に小屋の裏のハシゴを登ってからテン場の脇を通ってアタック開始!ここからはさすがに完全な雪山になりました。しかも、寝起きにいきなりの急登でめっちゃ息が切れた~。強風予報だったからバラクラバもしてたけど、樹林帯で風はないし、寒くないし…むしろ暑かったくらい。

 

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必死に雪面を登り続けてたらいつの間にか樹林帯を抜けてました。変な鳴き声で振り向くと真っ白な雷鳥が数羽いました。でも、登るのに必死過ぎて写真に撮れずで残念。八ヶ岳はちょっとだけ雲被ってたな…

 

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広いバーンを九十九折りに登って行くと、どんどん明るくなってきちゃいました。日の出までに八合目に到着できず、ちょっと下から拝むことに。

 

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八合目に着くと目指す甲斐駒ヶ岳がドーンと見えました。やっぱりカッコイイ☆でも、なんかまだまだ遠そう…。さすがにこのアタリは少し風が吹いてて、装備を整えてるヒト達もいました。

 

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北岳もよく見えました。それにしても、雪少な…

 

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そして、ゴロゴロ岩場の急登が始まりました。ここの鎖は問題なし。みんなが登るから岩にしっかりステップできてました。

 

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鎖で自分のカラダを持ちあげて上の岩に登ったところをのぞき込みました。ここ、下りれるんだろーか…

 

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こんなトラバースっぽいところもありました。

 

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下から見ても急だけど、上から見ても急ですね(汗)。写真には撮れなかったけど、登りにくかったところが他にもあり…とにかく、必死に登りました。

 

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よく写真で見る剣。カッコイイー!!

 

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しばらく歩いて山頂の祠が見えてきたけど、目の前には急な岩場。なんてことない岩場なのに、何故か取り付きがわからない…“どこから登るのこれ?”なんて考えてたら、突然気持ちがプツーンと切れました。この斜面、岩は小さいけど、岩と岩の間が凍ってて滑りそう…しかも、山頂までまだ1時間近くかかっちゃうかも…すでに足が疲れてきてるのに…おまけに、さっきの岩場下れるのかな…登るのもやっとだったのに…小屋からの下山も1ヶ所コワイところあるし…おまけに下山はめちゃくちゃ長いし…って色んな不安が一気に押し寄せてきて、急に気持ちが萎えてしまい山頂目前にして撤退しました。

 

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少し歩いて振り返って、ピークに立てなかった甲斐駒ヶ岳を見たら、自分で撤退を決めたはずなのにすごく悲しい気持ちになっちゃいました…

 

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登りにちょっとだけ手こずった岩場。心配してたけど、難なく下りれました。

 

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ここも。下りは、鎖にテンションかければいいだけだから、何てことない下りでした。

 

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あんなに下りを心配してたのに、難なく8合目まで下れちゃったので、“”やっぱりピークまで行けばよかった”って急に悔しい気持ちが湧いてきました。暖かくていいお天気だったし。でも、時すでに遅し…

 

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8合目から小屋までの下りはあっとゆー間で、小屋でパッキング&休憩してから下山開始しました。イチバンコワイと思った例の岩場は、下りは全くコワくなかったです。上からだとステップを目視できたから、鎖にテンションかけてしっかり足の置く位置決められたから。意外となんてことなかった~(苦笑)。登りの時はコワくて、ステップに足を横に置いちゃって片足しか置けなかったけど、ちゃんとつま先を置けば、両足置けるんだよね~。焦って岩登りの基礎を忘れてたっ(汗)

 

5合目で甲斐駒ヶ岳を見納め。それにしてもいー天気だった。ベース+薄手フリースで暑いくらい。ここでアイゼン外してるヒトが多かったけど、この後もけっこう凍結してるのわかってたから、自分はスピード重視でつけたままにしました。

 

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5合目からはしばしの登りだったけど、最後の登りだから頑張って、そこからはガンガン下ってあっとゆー間に刀利天狗に到着。ここでアイゼンを外しました。その後もひたすら下って刃渡りゾーンへ。案の上、かなり滑りそうだったのでちょこちょこ時間かけて下りました。刃渡り過ぎてからも長い長い…。下っても下ってもまだまだ下り。夏道と思って油断してると土や落ち葉の下が凍結してて滑るから楽々下山とはいかなかったー(汗)。落葉ゾーンは岩なんかのトラップもあって、ホコリもすごくて最後は黙々と無心で歩きました。

 

なんとか最後まで気を抜くことなく歩いて吊り橋まで到着したけど、さすがに足痛い…。でも、相変わらず綺麗な尾白川で癒されました。“ピークは踏めなかったけど、無事に下山できました。ありがとーございます。”って神様にご報告。

 

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とゆーことで、残念ながら撤退となってしまった今回の山行。全く楽しむ気持ちの余裕なく修行的な感じが強かったけど、少し過信気味だった自分への戒めという意味でとてもいい勉強になりました。雪のない岩場とかハシゴとか歩きまくって、アイゼントレみもなったし(笑)。でも、絶好のコンディションだったにもかかわらず山頂目前で撤退してしまったことは、ホントにホントにお仲間さんに申し訳なかったと思ってます。

 

あそこまで行けたら、山頂まで行けたと思う。せっかく苦労して登ったのに山頂に立たなかったのはもったいないと思う。やっぱり行けばよかったかなって後悔する気持ちがないわけじゃない。快晴で山頂の気温は−12℃、ほぼ風なしとゆー絶好のコンディションだった。でも、他人がコワイと思うレベルと自分がコワイと思うレベルは違うし、自分の限界は自分にしかわからない。急な岩場をアイゼンつけて下山しなきゃいけないって考えたら、自分にちゃんと下りれるのか?って不安が先に立った。ギリギリまで登りに体力使って、あの長い下りに耐えられるのか?って、足は山頂に向かってるのに、頭は下山のことばっかり考えちゃってて、カラダとアタマが逆行してた…。八合目まで下りてきて少し安心したら、めちゃくちゃ悔しい気持ちになって、“なんでもう少し頑張らなかったんだろ”って思ったけど、あの程度でコワかったり、迷ったり、不安になったりするのなら、今の自分にはまだ無理だったってことなんだと思う。

 

無事に下山できたのは、撤退したからだったのかもしれない。ギリギリまで疲れてたら足がおぼつかなくなって、なんてことないところで転んで怪我したり、体力の限界がきてスタッグしてたかもしれない。課題もわかったし、目標はあった方がいいし、今回はこれでよかったんだって思うことにします。めちゃくちゃ悔しいので、もっとスキルアップして、体力もつけて、来年こそは絶対に登頂します!