2015年2月14~15日 赤岳(1泊2日・小屋泊・雪山)

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1日目:美濃戸P〜美濃戸山荘〜南沢〜行者小屋(泊)

2日目:行者小屋〜地蔵尾根〜地蔵の頭〜赤岳展望荘〜赤岳頂〜文三郎尾根〜行者小屋〜赤岳鉱泉〜北沢〜美濃戸山荘〜美濃戸P

 

前々からお仲間さんに誘っていただいていて、行ってみたいという気持ちはありながらも、自分にはまだ無理かも…って思う気持ちもあったりしてなかなか決断できずにいたんだけど…。でも、今シーズンはかなり雪山を歩いていてアイゼン歩行にも慣れてきたし、次へのステップアップのために厳冬期の赤岳に行ってきました!

 

天気予報では、土日ともお天気は良さそうだったけど風が…。3100m地点の予報が土曜は20mオーバー、日曜は30mオーバー。こんな強風で登れるんだろーかって不安になりながら向かいました。中央道から見た八ヶ岳にはちぎれ気味の厚い雲が…。そして、強風予報のせいか美濃戸口の駐車場は空いてました。

 

赤岳山荘までの林道でスタッグしてる車が数台ありました。4WDでもチェーンって必要なんですね~。途中、岩の上から見守ってくれてるヒトを発見!無事に下山してこれますよーにと祈りました☆

 

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今回は行者小屋に泊まる予定だったから南沢から向かいました。樹林帯だから風は受けなかったけど、上の方は相当風が強いらしく木々がギシギシミシミシいってました。でも、上を見ると多少の雲はあるもののまだまだ青空が広がってて気持ちのいいお天気でした。この頃は…

 

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夏にもテン泊装備で歩いた南沢だけど、雪が積もると全然雰囲気が違いました。退屈なのには変わりなかったけど(苦笑)。今回の方がザックは少し軽いはずだから、楽に歩けると思ってたけど、なかなかペースが上がらなかったのは雪のせいなのかなぁ…。疲れると思ってアイスマスターにしたけど、それでもやっぱり疲れちゃいました。

 

樹林帯から河原っぽいところに出るとまずは中岳が見えてきました。おぉー!

 

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そして、もー少し進むと遂に赤岳が見えてきました。まだまだ雲はあったけど、中央道から見た厚い雲はなくなってて、一気にテンション上がりました~☆

 

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行者小屋に着いて、小屋で休憩してたおじさんとおしゃべりしてたら、外にいたオニイサンが『今、めっちゃ綺麗だよ!』って教えてくれて…。思わず外に飛び出てみると、めっちゃ綺麗に赤岳が見えました〜。キャーーー♡

 

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逆光だけど、阿弥陀岳も綺麗に見えました~。

 

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『お天気がよくなったから、このまま赤岳に登っちゃう?』ってお仲間さんに聞かれたけど、重い荷物を担いで来てすでに足はパンパンでした。この足で登る自信はなかったので、明日の下見を兼ねて阿弥陀岳方面にお散歩に行くことにしました。でも、トレースがかなり薄く、ラッセルが必要になりそうだったので横岳を眺めてすぐに戻ってきました。

 

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夕飯の後、外に出て見るとめっちゃ曇ってました。…とゆーか、かなり下の方までガスガスに(汗)。星と赤岳とのコラボ写真を撮るのをかなり楽しみにしてたのに残念ながら叶わずでした。

 

この時期、土曜しか営業してない行者小屋はけっこう空いてて快適でした。小屋に着いた時は寝床の足元の壁に霜がおりてて、夜中はどんだけ寒いんだと不安に思ったけど、ヒトが増えて、暖房がついたら寝る時はちゃんと暖かかったのでダウンは脱いで寝ました。消灯時間を過ぎても、フツーにおしゃべりして、ゲラゲラ笑ってたマナーの悪い団体さんにちょっとイライラしたけど、いつの間にかぐっすり寝てました。

 

もしかしたら星が出てるかも…と思って、5時に起きてすぐに外に出てみると、なんと雪~!しかも、風も強そーだし、止む気配なし。視界が悪そうだし、こんなお天気で登れるのかな…と思いながら朝ごはん食べたり、準備したりしてたら、団体さん達が先に出発していきました。こんなお天気でもみんな登るんだな~と思いながら出発しました。まあ、団体さんやガイドツアーは簡単に中止にはできないんでしょーけど。

 

雪の降る中、地蔵尾根を登って行きました。すごく寒くて猛吹雪になると予想して厚着してたら、もー暑くて暑くて。朝だからってゆーのもあったと思うけど、たぶん、着過ぎで暑くて息が上がっちゃったみたいです。バラクラバで口元が覆われちゃってたしね。何だか足も重くて、最初の樹林帯は息も絶え絶えって感じでした。

 

しばらくすると、階段のところで渋滞発生。例の団体さんが通過に時間がかかってるみたいだったけど、もしかしたらトレースがなくて、団体さんの先頭の方がラッセルしてくれてたのかもしれないです…

 

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確かに階段はほぼ埋まっちゃっててかなり急だったけど、手すりが出てたのでコワイってほどではなかったです。でも、あれを下るのはやっぱりイヤかも…。ナイフリッジも横にトラバース的な細いトレースがしっかりついてたので慎重に歩けば全く問題なかったです。こーゆーところで団体さんが時間かかっちゃって待ち時間がケッコウあったけど、まあ、いい休憩になりました(笑)

 

とゆーことで、団体さんの渋滞に巻き込まれながらユルユル登ってるうちに地蔵の頭に到着〜!お地蔵さん、めっちゃ寒そーでした。

 

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さすがに稜線は風も強くて、真っ白な世界でちょっと先もあんまり見えない感じでした。エビの尻尾もこれでもかってほど成長してましたよ〜

 

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団体さんが赤岳展望荘に休憩に入ったので、その隙に抜かして先に進もうとしたんだけど、強風で消えちゃったみたいでトレースが一瞬見当たらず…。方向確認して進んで行くとすぐにトレースが見つかりました。そして、先があまり見えない真っ白な世界の中、稜線を登って行くと…

 

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赤岳頂に着きました〜☆この悪天に登頂しちゃいましたよ(笑)。山頂にいた間はそんなに風が強くなく、寒くもなかったです。でも、その後、風がさらに強くなるという噂を聞いていたので、写真だけ撮って早々に下山開始しました。

 

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文三郎尾根は、山頂直下がイチバン急で怖いかな?って思ってたけど、吹雪で下が見えなかったからか、新雪がしっかり積もってたからか、山側向いてピックを突き刺しながらアイゼンしっかり蹴り込んで降りたら全く怖くなかったです。

 

視界が悪いし、結構な急斜面なので下山途中もプチ渋滞…。待ってる間、ヒマだったから上の方を向いてテキトーに撮影してみたけど、近くの岩しか写ってない~(泣)

 

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その後、めちゃくちゃ風が強くなってきて、下から吹き上がってくる暴風雪で目が全然開けられなくなったり(ヘルメットにゴーグル付けて登ってたら凍ってて使えなかった)、トレースがなくなって他のグループのヒト達と一緒にルート探してウロウロしたりとイロイロありましたが、近くにいたガイドさんの説明をたまに盗み聞きしながら(笑)焦ることなく一歩ずつ確実に下山しました。

 

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帰りは赤岳鉱泉に寄って、アイスキャンディーを見物してから北沢で下山しました。北沢の方が緩やかな気がしたけど、下りだったからかな?行者小屋からはツボ足で歩いてたので、途中、新雪に隠れたアイスバーンで何回か転んじゃいました。しかも、赤岳山荘からの林道のショートカットで凍った土のトラバースがあって、今回、一番の恐怖ポイントでした…。

 

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今回、かなりの悪天候に見舞われましたが、すごく楽しかったです。いつもは単なるお守りだったピッケルが初めて役に立ちました(笑)。でも、やっぱり体力が全然足りない…。何かあった時に動けなくなってしまう気がしました。今後、雪山でテントをやるためにも体力作りがこれからの課題です。そして、歩き方が下手過ぎる…。シーズンの初めよりは安定してきたけど、レベルの高い山を登るにはもっともっと練習が必要そうです。

 

それと、厳冬期の赤岳を登ってみて、雪山の装備でわかったことがイロイロありました。ウェアの着過ぎはやっぱりダメでした。前日、阿弥陀岳に登ったオジサンの話を聞いて、ベース(厚)+フリース(薄)+フリース(中厚)+ハードシェルを着て、おまけにバラクラバ+ニット帽+ヘルメットを被ったら、息は苦しいし、暑いしで大変でした。小屋前の気温は-10℃くらいだったから、稜線や山頂はもっとずっと寒かったと思うけど、動いてる限りは、いつも通りのフリース(中厚)なしで問題なかったです。登り始めてすぐにフリース(中厚)を脱いだので汗はかかずにすんだけど…。あと、吹雪と低温を想定して、鼻と頬の凍傷防止にゴーグルはせずにバラクラバをしてみたけど、ゴーグル+ネックゲイターが正解だったかも。下山時に吹き上げてくる暴風雪で目が開かなくなったのはかなりヤバかったです。あれ以上ひどくなってたら歩けなくなってた…。バラクラバしてもゴーグルが曇らない方法ってあるのかなぁ。でも、ベテランさんやガイドさんはゴーグルってしてないんだよね(汗)。そして、今回、投入してみたぺダック・ビバ・ウィンター。南沢で使ってみたら確かに暖かかった~。でも、表面が羊毛だからやっぱりちょっと滑る気がする…。何より、赤岳登頂時にいつものインソールでも全く足は寒くなかったから、必要ないってことみたい(笑)。夏靴に入れることにします。で、最後にグローブ。メリノ(薄)+メリノ(厚)+オーバーグローブ(薄)を初めて試してみました。じっとしている時やピッケルをずっと持ってるとちょっと冷たくなってきたけど、基本的には問題なし。ただ、オーバーグローブのサイズが大きすぎてピッケルが持ちにくい(汗)。オーバーグローブはもっと小さいサイズを探さなくては…

 

夏も冬も眺望なしの赤岳になっちゃったけど、だからこそまた行きたいって思います!来シーズンこそは快晴の赤岳に登りたいな☆